映画・テレビ

2011年2月 2日 (水)

【八丁座】いい映画にはいいハコが似合う

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 シネツインやサロンシネマ系の新しい映画館として福屋にオープンした「八丁座」。キネマ旬報のランキング作品上映に合わせ、ようやく行くことができました。


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 エレベーターの扉が開くと、京都の撮影所で使われていたという大きなふすま絵が目に飛び込んできました。内装は、江戸時代の芝居小屋をイメージした和風テイストといいます。「壱」170席と「弐」70席の2スクリーンがあります。


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 湯来町のマルニ木工オリジナルの椅子は2タイプあります。私が座ったベージュ系のシートは、幅85センチ。ずぶりと深く広く、隣の人をほとんど意識することはありません。

 赤色のシートは少し幅が狭いようで、カウンターや7人掛けの畳席などもありました。うれしいのは食べ物の持ち込みができること。エレベーター隣にはカフェもあります。
 
 私的に理想のシートは、

  1:背もたれの高さが十分あって腰が落ち着く
  2:席の前にかばんなどの荷物が置けるスペースが十分にある
  3:飲み物などを置くちょっとしたミニテーブルがひじかけにある

 といったところでしょうか。

 この基準からすると、八丁座は1はちょっと足りなく、2はまあまあ、3はなし。サロン系でいえば、実は新天地が私の好みに近い感じです。


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 とはいえ、座り心地やゆとり感は従来のシートをはるかに超えており、スクリーンの迫力を独り占めしている感覚になれるのは秀逸でしょう。劇場ごとにハコの広さや傾斜などの条件があり、その上で設計されるわけですから、一概に私の基準は当てはまりません。それも含め、これほど非日常を感じ、映画を存分に楽しめる空間があることはとてもうれしく、ありがたいことです。

   ◇ 

 見たのは邦画1位の「悪人」(李相日監督)。九州が舞台で、ありきたりな都会の孤独ではなく、地方のにおいが実によく出ていました。後半から画面は一変し、遠いまでの美しさと迫り来る生々しいスケール感は想像以上。脚本が出会い系ベースの物足りなさは否めなかったですが、人を愛するという救いが見えたところが上手い落としどころだったのかも。


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 八丁座ではありませんが、外国映画1位の「息もできない」も見てきました。ヤン・イクチュン監督の初長編作品。なんと脚本・主演も担当しており、「すべてを吐き出したかっただけ。ただ自分が見たもの、感じてきたものを書いた」と、韓国が抱える暴力や孤立など家族の問題を自身の体験から映し出した、といいます。

 殴る、蹴る。スクリーンに映し出されるシーンはどれも圧巻。衝撃ですらあるでしょう。女子高生役のキム・コッピはじめ、魂からの演技とでも言えるほど役にはまった俳優が多い作品もなかなかありません。偉そうな言い方ですが、「悪人」が甘い作品にすら思えたほど。

 作品では、暴力を生む憎しみの連鎖が救いすらストイックに打ち砕く様が見て取れます。メッセージ性や社会性が奥底から湧き上がり、雑多なようで練られたストーリーも見応え十分。「キャタピラー」以来の満足感がありました。

 こういった映画が見られる。広島の映画シーンは今、一番恵まれているのかもしれません。


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2010年11月 9日 (火)

【夢の映画館】「八丁座」26日オープン

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 広島のいいところ、でよく映画を挙げてきました。サロンシネマやシネツイン、横川シネマなど、ミニシアターが頑張っているからです。

  「広島の町おこしを」「夢の映画館作りを」をモットーに、サロンシネマ系の新しい映画館「八丁座」が26日にオープンします。

 場所は、八丁堀・福屋の最上階です。そう、過去にあった映画館をゆったりしたシートなど単館系にリニューアル。「目の玉が出そうなくらい(想定外の)費用が出ました…お客さまより’素晴らしき暴挙’と言われています」とエンドマークに記されています。

 そのサポートの意味も込め発行された「八丁座プレミアムカード」を買いました。1万円で10回分使えます。無期限でグループ利用も可。オープンの26日からサロン系全館で使えます。御贔屓帳スタンプは付きません。

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 記念上映には、「オーケストラ!」「スラムドッグ&ミリオネア」そして「男はつらいよ相合い傘」が。寅さん以外は見逃した作品ですので、これはチェックチェック!リリーにも久しぶりに会いたいな。

 今月は、見たい映画が豊作の予感がします。 「レオニー」「ようこそアムステルダム国立美術館へ」「老人と海」「ドアーズ」「メッセージ」「シングルマン」…。ダマー映画祭inヒロシマもここ八丁座で始まります。北朝鮮の実情を映画化した「クロッシング」が記憶に新しい審査員でもあるキム・テギュン監督の特別招待作品「裸足の夢」も気になるところです。

Shuucyakueki

 この日はトルストイの晩年を描いた「終着駅」をメンズデー1000円で見ました。「男と女」「普遍の愛」がテーマ。甘ったるそうな気がして興味はあまりなかったのですが、いや、案外楽しめました。

 キャストの演技力もあります。愛というよりも、家族のきずな、深いところでつながる人の縁(えにし)、のようなものを感じました。血のつながらない寅さん家族のような。

 日常から離れ、時に笑い、時に泣き、時に無の感動を得る。世界を知り、歴史を学び、自分を戒め、そして自分を癒やし。映画館はそんな場としてあり続けてほしいと思います。

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2010年1月19日 (火)

【加藤さん講演】きょう16時45分広島テレビで放送

広島地区の夕方情報番組「旬感テレビ派ッ」で番組があります。

貴光君の手紙などりつこさんの思いが紹介される内容のようです。

間に合えば、ぜひご覧ください。

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2009年6月15日 (月)

【スタートレック】トレッキーのため(だけ)の映画?

宇宙。それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。

これは人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った宇宙船、 U.S.S.エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である。

 どこかで聞いたことがありませんか。そう、惑星連邦の宇宙船が未知の宇宙を探索する映画「スタートレック」。その最新作が上映されています。トレッキーとしてはこれは外せません。さっそく見てきました。

 カーク船長やスポック、ドクターマッコイ、ウフーラ、スールー、チェコフ、そしてチャーリー。1969年にTVドラマで放映された味のあるオリジナル世代の面々です。USSエンタープライズ就航当初という時代設定で、若い彼らが新しいキャストでよみがえるのが見どころでしょう。

 詳しいストーリーは内緒として、あるオリジナルメンバーが物語の核として登場します。劇場で思わず「おおーっ、○○○!」と口に出してしまいました。ここはトレッキーには涙もの?かも。

 シリーズは一通り見ていますが、やっぱりオリジナルシリーズが一番!戦いばかりでなく、どうやって未知の人類と打ち解けるか、交渉するかなど、よくできています。

 NHKなどでも昨年からリマスター版が放送されています。あえて順番を付けるなら、新シリーズ、ボイジャーの順でしょうか。

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2008年8月19日 (火)

【お遍路ドラマ「ウォーカーズ】歩くことは考えること

 携帯電話のヒットメーカー、30代後半のやり手サラリーマンがひょんなことから地元徳島に帰り、家の相続問題をきっかけに四国八十八カ所めぐりを始めます。新米「お遍路さん」が黙々と歩き、考え、悩み、そして仲間との交流を通して人生の意味を問い直します。再放送がきょうからNHKハイビジョンで始まりました。全4回。

 お遍路さんは、年間15万人が踏破するといいますから、驚きです。その回数によって札の色がレベルアップするのも初耳でした。さらに、順番を反対から回るコースもあるそうです。

 主役は江口洋介。恋人役に戸田菜穂が出ています。ほか、加藤登紀子、三浦友和、風吹ジュン、森本レオ、原田芳雄ら豪華なキャストです。ホームページはここ。

 作者の鈴木聡さんは、「みんな懸命に歩きながら、何かを懸命に探している。それはこれからの人生かもしれないし、ともに生きてきた夫婦の答えかもしれない。その姿は、生き方を迷い、自分の正体を探しあぐねている、現代の僕らそのものであるように思った」と狙いを語っています。

 「歩くことは考えること。探すこと。自分と向き合い、大切な誰かと向き合い、未来へつづく道を見つけること…」ともあります。主人公のようにバリバリでもなく、結婚話で悩むことも(まだ)ありませんが、年代が近いだけに共感させられます。

 きょうの1回目。20代の青年がこうしゃべります。「真っ白な服を着て、無心で歩く。まっさらな心になりたいんです」と。 「自分探し」とはよく言われますが、ちょっぴり笑い、ほんの少しジーンとし、そして最後にう~んと考えさせられる作品です。

 ちょうど今いろいろと「さまよっている」私。そういえば、四国はアルファなどイタリア車ファンが多いと聞きます。いっそのこと、「お遍路さん」になっちゃおうかな。

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2008年5月12日 (月)

「君のためなら千回でも」★★★

 ここのところいろいろとあって、ブログの更新がすっかりご無沙汰になってしまいました。そんな中で久しぶりに自分の好みに合った、そして涙を流せた映画と出合えました。マーク・フォスター監督の「君のためなら千回でも」。このタイトルに深い意味というか、つながりが隠されています。

 舞台はアフガニスタン。ソ連の侵攻、タリバーンの支配など激動期を生きる少年たちの絆を描いています。戦地からアメリカに逃れた少年が幸せに暮らす、という設定そのものは私自身、あまり好きではないのですが、もう一人の召し使い役で登場する少年のまっすぐな姿勢に思わず泣きました。ストーリーとしてはちょっとした衝撃もあります。秀作でした。サロンシネマにて。

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2008年4月27日 (日)

サラエボの花

 お気に入りの映画の中に、ボスニア紛争を描き、東京国際映画祭グランプリに輝いた「パーフェクトサークル」(アデミル・ケノビッチ監督)があります。それ以来、このテーマの作品は欠かさず見るようにしています。

 今サロンシネマで公開中なのが、紛争当時ティーンエージャーだったヤスミラ・ジュバニッチ監督の「サラエボの花」。民族浄化という名の元で行われたレイプの傷跡を描いています。

 悲しいだけの映画ではありません。女性監督ならではの切り口で、そこには子どもの命の輝きに母子ともに悩み、そして生かされていく姿が描かれています。

 「レイプとその残虐な行為の果ての結果に、私は執着するようになりました。このトピックに関連するものはすべて読み、追いかけました。何故私はこれらを調べたのか、何を知りたいと思ったのかわかりませんが、答えは私が出産したとき見つけました。その経験は愛に満ち溢れていて、母性のすばらしさを実感したのです。そのとき、いろんな感情の塊が私の引き金になりました。ショックでした。そして自分に問いかけたのです。憎しみという感情の中で生まれてしまった子供を持つ女性の、心を襲う感情とはすさまじいに違いないと。この瞬間、私はこの映画を撮ろうと思いました。そして子供に授乳しながらシナリオを書き上げたのです」

 ストーリーはシンプルですが、役者さんの演技も光っていて、心のどこかにずっと残るような作品でした。

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2008年3月 1日 (土)

once ダブリンの街角で

 1日はシネマデー。1000円均一のこのチャンス、逃す手はありません。久々にジンワリ来たのが、このアイルランド系の映画でした。

 実在のアーティスト・グレン・ハサードが主演。売れないストリートミュージシャンと異国から来たピアニストが、希望や愛、そして友情を探し求める様子が切なく、そしてジンワリあったかく描かれます。劇中に流れる歌が人生の悲哀がにじみでていて、とってもいい。感情豊かで強くてどこか悲しげ。さらに、ラストはなんだか寅さんぽっくって、私は大好きです。人を大切に思う。やさしいがゆえにさびしい。愛するがゆえに見守る。いや、いい映画でした。

 このほかイスラム革命をはさんで生きる女性を描いたアニメ映画「ペルセポリス」も楽しみでした。残念だったのは、後半がなんかメッセージがぼやっとしていて、終わり方もなんだか??でした。

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2008年2月18日 (月)

ハマるハマる「ギャラクティカ」

 1978年からアメリカで放映されたSFドラマ「宇宙空母ギャラクティカ」。あの「スター・ウォーズ」に影響を受けたテレビドラマで、人間が生き残りを掛け、アンドロイドと闘うストーリーです。そのドラマがリメークされ、新たに「バトルスター・ギャラクティカ」としてスーパードラマチャンネルで放送されています。これが面白い。

 「サイロン」と呼ばれるアンドロイド軍団に、今回は人間に化けたサイロンが登場。スリリングがぐっと増しています。なんといってもアダマ司令官が渋い。

 現在、「スタートレック(TOS)」がNHK・BSでデジタルリメークされており、これも見逃せません。私の一押しキャラは、やっぱりスポック。あのコミュニケーターにあこがれ、初めての市販PHSを買ったのを思い出します。当分は大好きな宇宙SFドラマシリーズが楽しめそうです。

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2008年1月30日 (水)

希望を心に 「ミルコのひかり」

Miruko

 心の奥があったかくなる映画を見ました。「ミルコのひかり」と「ウェイトレス-おいしい人生の作り方」です。どちらも希望や勇気がふんわりと心を満たしてくれました。

 「ミルコのひかり」(写真はパンフの一部)はすばらしかった。イタリアのクリスティアーノ・ボルトーネ監督の作品で、 「音の魔術師」として現在も活躍しているサウンドディレクターの実話です。舞台は1971年のトスカーナ。事故で視力を失った少年ミルコが古ぼけたテープレコーダーを見つけたことから物語は始まります。単なる障害者の感動物語ではないところがよかった。

 盲学校へ編入し、最初はすねるミルコ。でも、レコーダーで風がなびく音や鉄板をたたく音などを録音し、それをつむいで「何か」を創作する面白さを知ります。その才能を生かし、仲間たちとラジオドラマ劇を紆余曲折の中で作り上げていきます。

 ミルコの才能を認めない大人。ミルコの才能を伸ばそうとする大人。そして、笑い、悲しみ、喜び合う仲間。多くの人々がミルコを囲みます。それが時に壁になり、時に支えになる。視力があるないにかかわらず、子どもの「感性」がどれほどすばらしい可能性を秘めているか。そんなことを感じさせてくれます。

 私が通った中学校には耳の不自由な仲間がいて、障害児学級も併設されていました。一部を除き、授業も一緒でした。遊び、学び、時にはケンカもしました。分け隔てるのではなく、ともに感じ、生きていく。この映画を見て、そんなことも思い出しました

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